内分泌療法

内分泌療法

前立腺の働きが、男性ホルモンの支配下にあることから、前立腺がんの治療には内分泌療法が有効です。しかし、内分泌療法の最大の問題点は、その細胞の大部分はホルモンの影響を受けますが、一部にホルモンに支配されない細胞が混じっていることです。そしてもう一つは、ホルモン療法を行っていると治療の途中からがん細胞の一部がホルモン抵抗性をもって、ホルモンの影響を受けなくなることです。

ホルモン療法を開始すると、ホルモンに対して感受性のある細胞が仮死状態となるので、ただちに劇的な効果を示します。しかし、内分泌療法を数年続けていると、ホルモンに影響されないがん細胞が数を増し、やがてそれらのがん細胞が活発に増殖を始めて、再燃と呼ばれるがんの状態になることが多くなります。内分泌療法は、このような経緯をたどりやすいので、いつ内分泌療法を始めるかという判断が重要です。

一般にホルモン療法は、早期の前立腺がんの治療に単独に用いられることは少なく、ネオアジュバント療法や補助療法として短期間にかぎって用いられます。また、他の治療の補助療法として長期間行われることもあります。

しかし、壮年期の男性で低リスクなホルモン療法を強く希望する人や、仕事の都合などで他の治療法が選択できない人には、長期間使用する場合もあります。一般に、75歳以上の高齢者やがんが転移した人に単独治療として用いられることが多いのですが、数年のうちにホルモン薬が効かなくなり、がんが再燃することが多くあります。

ホルモン療法の効果は、がんの病巣にホルモン感受性のあるがん細胞がどれくらい含まれているかによって決まり、これは人によって異なるため、ホルモン療法の効果を正確に予測することはできません。一般的に、ホルモン療法を受けたことのない前立腺がんの患者の70%?80%は、治療を始めた初期には非常よい効果があらわれるといわれます。また、骨に転移して強い痛みのある患者でも、ホルモン療法を行うと短期間で痛みが消える場合もあります。